設計>どこで建てればよいか?【茨城・注文住宅】

query_builder 2021/12/28
設計
どこで建てればよいか?

住まい選びを考え始めたとき、住宅メーカーのサイトを閲覧したり、住宅展示場へ足を運び営業マンの話をお聞きになると思います。しかし「話を聞けば聞くほど何が良いのかどこを選べば良いのか?」正直なところ困惑すると思います。実は、より良い住まいの選択をする上で、大事な要素が個々に存在します。この要素に従ってチェックしていくと、候補となっている住宅会社が8~9割ほど候補から外れます。残った本当に良い住宅会社から、感性・相性・価格等を考慮しながら決めることができ、とても分かりやすく正しい判断が可能となるわけです。参考までに、トンボハウスの基本形態を掲載します。



まずは表をご覧ください。住まい選びとなる要素を大きく最低限必要・推奨の2ブロック分けます。最低限必要な要素は、安全性を確保し光熱費を抑え安定した室温環境を整えるには欠かせません。この要素をクリアできない住宅会社は論外というわけです。推奨については、より経済的で健康的な住いの設計に結びつきます。可能であれば積極的に実施したい要素です。それでは、順を追って詳しくみていきます。


耐震等級
耐震等級1=国の最低基準同等
耐震等級2=国の基準の1.25倍の強度
耐震等級3=国の基準の1.50倍の強度


まともな住宅会社かどうかを見分ける最初の質問として「耐震等級3ですか?」と聞いてみる必要があります。大手メーカーだと8割がた大丈夫ですが、中小になると逆に8割以上出来ていません。南海トラフでM8〜9クラスの地震が発生する確率は「50年以内に90%程度かそれ以上、30年以内に70~80%」これを無事に乗り切るには耐震等級3が必須であるということは、構造の専門家の間では常識となっています。


一般の方は鉄骨であれば強い。「木造はちょっと」と思い込んでおられる方もいらっしゃいますが、鉄骨でも等級1(建築基準法と同等レベル)もあれば木造でも耐震等級3が存在します。当然ながらこの場合、構造種別に関わらず、耐震等級3の方が圧倒的に強いということになります。どこの住宅会社にいっても各社「〇〇工法だから強い」というカタログ、営業トークを展開してきます。それで一般の方は分からなくなるわけですが、とにかく耐震等級3以上を確保していれば構造はそれで合格。そのように考えておくと、不要に頭を悩ませることから開放されます。



実際に、シミュレーション(動画)ではありますが、建築基準法の強度=1とし、耐震等級3=1.5とした場合に、0.5(激弱)~2(超高耐震)までの強度でつくられた16棟(同じ間取り)の住宅を阪神大震災の地震波で揺らします。これをご覧になっていただければ一目瞭然。この地震波に耐えて残ったのは、最後列の4棟と後ろから2列目の右側2棟、すなわち耐震等級3(1.5以上)の住宅だけであることが分かります。


UA値
今の住宅会社が、共通で表示することができる断熱性能の指標がこのUA値です。計算によって求める値で、良い断熱材を分厚く使えば使うほどこの値は小さくなっていきます。衣服に例えるならどんな材料(綿かダウンかみたいな感じ)で厚さ何ミリなのかの両方で決まる暖かさを示す指標です。ということで、○○工法だから暖かい。○○断熱だから高断熱みたいな話ばかりがあふれる住宅業界ですが、一切無視しても弊害はほぼありません。断熱性能に関してはこのUA値を確認すれば、断熱に力をいれている住宅会社であるか否か判断がつきます。〇〇断熱という謳い文句に頼ってUA値を即答できないような会社は論外です。


C値
衣服に例えるなら袖口やファスナーはもちろん、衣服自体の破れも含めて隙間がどの程度空いているかを表します。いくら断熱性が良くても隙間だらけだと、暖かくならないのは衣服と同じです。これは計算ではなく、測定器を現地に設置して内部の空気をどんどん抜いて行って測定します。これを「気密測定」といいます。まともな住宅会社かどうかを見分ける2番目の質問として「気密測定を実施されていますか?」と聞いていただくのが良いと思います。一般的には1割程度しか実施されていません。その関門をクリア出来たら、「C値はいくら以下を目安にされていますか?」と聞いてみてください。最低1以下にしておかないと空気が想定通りに流れないので、計画換気ができず(臭気が残る部屋が出来てしまう)もちろん冷暖房の効率も悪化します。


室温20℃湿度50%時に窓下枠に結露が無い
冬加湿しない状況で20℃くらいになってくると寝ているときにのどの渇きを感じます。また、しっかり加湿していないと、誰かがインフルエンザ等のウイルスに感染すると、すぐに家族に感染しやすくなります。このように健康面から考えると20℃のときに50%程度の湿度が欲しいところです。これは1日10リットル加湿して、ちょうど良いくらいの加湿量になります。これだけ加湿を行うと、人間にとっては非常に健康で快適なのですが、窓にとっては厳しい状況となります。大半の住宅で使われている外枠:アルミ+内枠:樹脂のサッシでは下枠が結露してしまいます。こうならないためには、最低でも樹脂のみで枠が構成されている樹脂サッシ、もしくは非常に高価ではありますが、木製サッシのどちらかが使われている必要があります。結露の観点を抜きにしたとしても窓は最大の熱損失箇所です。窓を高断熱化していない住宅会社は、断熱に興味と技術力の両方がない会社ととらえて差し支えありません。


夏の時期、直射日光を遮る工夫ができているか
日射のエネルギーは非常に強いです。冬は助っ人になりますが、夏は強敵になります。夏の直射日光を遮ることができなければ、冬は暖かいけれど、夏暑くてたまらない住宅になってしまいます。これは結構単純に法則化できています。南面(真南から振れ角が20度以内の場合)は窓の高さ10に対して3程度以上の庇がついているか、もしくはアウターシェードと呼ばれる外付けの日射遮蔽措置がついているかどうか?(外付けというところがポイントです。日射は外だと8割カットできますが、どんな遮光カーテン等を使っても内部では4割しかカットできません)東西北面の窓は極力小さく(できれば一部屋一か所0.5㎡以内)かつ遮熱Low-Eガラスとなっているか。もしこの2条件が満たせない場合は、外付けの日射遮蔽措置がなされている必要があります。ここで注意していただきたい嘘の営業トークがあります。東西北面の窓がかなり大きい、もしくは南に庇等がない状態で「遮熱Low-Eガラスを使っているから大丈夫です!」という大嘘です。いくら遮熱Low-Eガラスを使っていても面積が大きければ大量の日射が入ってきます。日射遮蔽が出来ていないと入ってきた熱量を除去する分だけ冷房を余分に動かす必要が出てきます。これは「窓がストーブと同じ熱量を発して暑いので、その分冷房を強くかけている」という快適性・健康面・冷房費のすべてにおいて最悪の状況となります。


鉄骨・鉄筋コンクリート造の場合、外断熱かどうか
戸建住宅の場合、構造は木造が一番多く二番目が鉄骨造になります。マンションのような集合住宅では鉄筋コンクリート増が多いですが、今では超高級住宅を除けば戸建てで鉄筋コンクリート造はほとんど見なくなりました。鉄は木の480倍熱を通しやすい材料です。ですので、元来断熱面では非常に不利な構造でした。大手住宅メーカーの中には鉄骨からはじまったメーカーがたくさんあります。そういったメーカーがここ10年ほどの間に徐々に木造比率を増やしてきたのはここに秘密がありました。省エネ基準、業界内の断熱水準の向上が激しい中、鉄骨造で勝負するには厳しい現実がありました。このような熱的には非常に不利な鉄骨造をどうしても採用するのであれば、外断熱によって最低でも5cm以上の断熱材でくるむ必要があります。某大手住宅メーカーでは言葉尻だけでこの問題を解消するために2cmに満たない外断熱とすることで対策済みのような営業を繰り広げていますが、その程度では480倍もの熱損失を補填することはできませんのでご注意ください。


家全体が冷暖房計画されているか
車の場合「エアコン設置はカー用品店で頼んでください」と言われることはないですね。ところが住宅業界ではほぼこれとおなじこと、つまり「エアコン設置は家電量販店で頼んでください」と言われるほうが圧倒的に多いのです。いくら気密性、断熱性が良くても冷暖房計画が適切に行われていなければ家全体が暖かくなることはありません。また、このように外注してしまうと、断熱設計した本人が適切な容量選定した場合に比べて遥かにに大きな能力選定が行われます。皆さんが常識だと思われている「6畳間には6畳用エアコン」という設置方法は実は現代の新築住宅においては高断熱住宅でなくともかなり過剰になってしまっています。このことを家電量販店の営業マンも住宅業者も知らないことが大半です。6畳用エアコンの最大能力は普及品タイプでも4000W=こたつ約7台分もの熱量を発生します。しかし、高断熱住宅であれば、最も寒い瞬間でも600W程度(こたつ1台分)もあれば十分に暖房することができます。


冬の時期、日差しを採り入れる工夫がされているか
住宅の暖かさは、気密と断熱だけで決まると思われている方が多いかもしれません。確かに気密と断熱は熱損失を抑えるための重要な要素です。しかし、暖かい住宅の正確な定義は「暖房に必要な熱量(暖房負荷)」が小さな住宅を指します。暖房に必要な熱量とは、熱損失から日射取得と内部発熱を引いた値です。つまり、暖かい家にするためには熱損失だけでなく熱の取得も非常に重要な要素なのです。どこの住宅にもある幅165cm、高さ2mの引き違い窓一か所に直射日光がきちんとあたると、こたつ1台分に相当する熱量(600W)が入ってきます。内部発熱は、人の数や家電製品で決まるため住宅業者にはコントロールできません。よって暖かい住宅を作るためには断熱、気密によって決まる熱損失を減らすことも重要ですが、同時に日射取得を増やすことはそれ以上に重要であるということになります。日射取得のほうが、重要な理由は工事費が上がらないからです。断熱性能を上げるには、どうしても費用がかかります。費用が上がらない日射取得は、やれるだけやったほうが確実に得になります。


プラン(間取り)の作成は二級建築士以上か
本来、建築基準法では「一級建築士、二級建築士又は木造建築士でなければ設計又は監理をしてはならない建築物」として100㎡以上の木造建築物」が挙げられています。大半の住宅が100㎡(30.25坪)を超えるので狭小住宅以外は無資格者が設計してはならないことに法律上はなっています。しかし、住宅業界では大手住宅メーカーも含めてこの法律が形骸化してしまっています。「間取り」もしくは「プランニング」と言われる平面図や立面図を考える業務を23歳の文学部卒業の営業マンがやっている会社がいくらでも存在します。中には、そういった方の中にも上手い人もごくまれにいますが、確率は非常に少ないです。医師・弁護士業界においては、いくら実務経験が長いからといっても、無資格者がメスを持ったり、法廷に立つことはできるものではなく正反対です。


耐久性に関して配慮がされているか
大手住宅メーカーに関しては、ここを心配する必要はありません。逆に中小の業者は、ここが弱い会社が多くなります。断熱や気密とは異なり、確認すべき項目が本来は山ほどあるのですが、それを一般の方がやり遂げるのは不可能です。そこで、簡単な見分け方を説明しておきます。軒(屋根の先を伸ばし外壁を濡れにくくし、日射遮蔽の役割を果たす)が無い住宅(シンプルモダン系の住宅に多い)は、雨漏り・外壁劣化・壁内部結露の可能性が、非常に高いので耐久性と両立させるためには高度な技術力が必要。しかし、一般的には、軒がない住宅をやっている会社の大半がこのような技術力は備えていない。「結露計算をやっていますか?」この一言で意味が分からない担当者、もしくは、社内で確認して誰もやっていない会社は、壁の内部結露が起こるリスクの検討が行われていないということになります。


モデルハウスなどのエアコンの室外機は少ないほど良い
モデルハウスでは、外部を一周グルっと回ってエアコン室外機の数を各社数えてみてください。平均的に各社7~9台置かれていることが多いです。これだけなければ家中を暖かく、涼しくすることができないということを物語っています。モデルハウスは、大きいのでこうなりますが、30〜40坪の一般的な住宅においても同様の設計手法でエアコンを設置すると、1階はLDKと和室で2台、2階は主寝室と子供部屋2部屋の3台で合計5台必要ということになります。仮に1台10万としても50万になります。約10年おきに買い替えるとものすごい費用です。


可能であれば平面形状・屋根形状はシンプルな方が良い
これは住宅会社というよりは、設計担当者の力量と癖によるところが大きい項目です。家の形で一番避けたいケースとしては、とにかく間取りを優先してしまい、お客様の要望する部屋をそのままくっつけて屋根をかけたら完成という住宅です。この手法で設計すると、外観形状に凸凹が多くなります。これは、壁だけでなく屋根の掛け方も複雑になります。凸凹になるということは、外壁面積が増えるので工事費が高くつきます。また、表面積が増えるので熱損失も大きくなります。施工も面倒になり雨漏りもしやすくなります。

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