気密の必要性

query_builder 2023/09/25
健康の話
気密

住宅の気密性とは、住宅の隙間をできるだけ少なくして、室内の空気を屋外から遮断する性能のことです。気密性の高い住宅は、室内の温度や湿度を調節しやすく、快適さや省エネにも効果的です。

気密性の仕組みを理解するために、ストローに小さな穴が開いていると吸えない原理を考えてみましょう。ストローで飲み物を吸うとき、私たちはストローの中の空気を吸い込んで、ストロー内部の空気圧を下げます。すると、外の空気圧に押されて、飲み物がストローの中に入ってきます。これが、私たちが液体をストローから飲める仕組みです。

しかし、ストローの途中に穴が開いているとどうなるでしょうか。穴のある部分では、液体の圧力が外の空気圧と同じになります。そのため、穴より下の部分では、液体の重さに耐えられず、液体は流れ出してしまいます。一方、穴より上の部分では、穴の高さで空気圧が外の空気圧と同じになりますが、ストローの上が閉じていますので、上部の空気圧は液体の高さ分だけ外の空気圧よりも低くなり、液体の重さに耐えることができます。

この例からわかるように、気密性が高いと、空気の出入りが少なくなり、液体を保つことができます。逆に、気密性が低いと、空気の出入りが多くなり、液体を保つことができません。住宅の場合、液体の代わりに室内の空気が、空気圧の代わりに暖冷房の効果が、それぞれ考えられます。気密性が高い住宅は、室内の空気を逃がさずに保ちやすく、暖冷房の効果も高めやすいです。気密性が低い住宅は、室内の空気を逃がしやすく、暖冷房の効果も低くなりやすいです。



気密性が高い住宅は、快適さや省エネには有利ですが、換気性には不利です。室内の空気がこもりやすくなると、二酸化炭素や湿気、ホルムアルデヒドなどの有害物質が増えてしまいます。これらの物質は、健康や環境に悪影響を及ぼすことがあります。例えば、二酸化炭素は頭痛や眠気、ホルムアルデヒドは目やのどの刺激、湿気はカビやダニの発生などを引き起こす可能性があります。これらの問題を防ぐためには、換気を行うことが必要です。

換気とは、室内の空気を新鮮な外気と入れ替えることです。換気を行うことで、室内の空気の質を改善し、快適な環境を作ることができます。換気には、自然換気と機械換気の2種類があります。自然換気とは、窓やドアを開けたり、通風口や換気扇を設置したりすることで、自然に空気の流れを作る方法です。機械換気とは、換気装置や空調機器を使って、強制的に空気の流れを作る方法です。

気密性が高い住宅では、自然換気だけでは不十分な場合があります。そのため、機械換気を併用することが望ましいです。機械換気には、局所換気と全館換気の2種類があります。局所換気とは、キッチンやバスルームなど、特定の場所で発生する湿気や臭いを排出する方法です。全館換気とは、住宅全体の空気を一定量入れ替える方法です。全館換気には、熱交換型換気システムというものがあります。これは、室内の空気と室外の空気を熱交換器で温度を調整しながら入れ替えるシステムです。これにより、暖冷房の効果を逃がさずに換気することができます。

住宅の気密性は、快適さや省エネには有利ですが、換気性には不利です。そのため、気密性と換気性のバランスを考えることが重要です。気密性と換気性のバランスを考えた住宅づくりを目指しましょう。

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